野口里佳写真展 「果たして月へ行けたか?」
Noguchi Rika 野口里佳
パルコギャラリー
期間:2001月1日19(金)~2月12(月)
なにもかもが不思議…。
その理由は、中心にいる人物らしきものに比べると、大地や空といった風景が広すぎて、人物も風景もどちらも主役のように思えてしまうからかもしれない。また、どの色もはっきりとして美しいのに、少しよそよそしく感じるからかもしれない。
すべてが、私自身が勝手に決めたカテゴリーにはおさまってくれないし、こうだと思おうとすると、そこをすり抜けてしまう。
写されている場所はどこだろう? 実際にある場所なのかな、それとも…などと、いろいろと考えながら足を運ぶうちに、不思議なのに安定感すら感じる写真とは裏腹に、私の心の中は、グラグラと揺らぎはじめる。
パンフレットに、作者の方自身の言葉があり、それを読んで確かにそうだなと思わずうなずいてしまった。
「私は、宇宙人から頼まれて、地球の記録写真を撮っている気がする」
自分が今まで信じていた地球の姿を、他の星の生物が違う角度から眺めると、こんな風に見えるのかも。自分の住むこの惑星の存在を、あたりまえと思わず、じっくりと捉え直すきっかけをもらったような気分になった。