現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展(ヤゲオ財団コレクションより)
東京国立近代美術館にて
会期:2014年6月20日(金)〜8月24日(日)
10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(7月21日は開館)、7月22日(火)
「ヤゲオ財団」(台湾の巨大電子機器メーカーの社長が運営)所有作品の展覧会とのことなので、要するに私財で集めたコレクション。
ゲルハルト・リヒター、アンディ・ウォーホール、フランシス・ベーコン、マーク・ロスコ、そして中国・台湾からは蔡國家にザオ・ウーキー、日本の杉本博司、さらには美術への功績も作品も大きいアンゼルム・キーファーまで、そうそうたる面子の作品が、所狭しと軒を並べる。
そんなビックネームばかりではなく、評価が上がるのはこれからという作家の作品も、主にアジアを中心に集められていた。
この展覧会のおもしろいのは、「コレクター目線」と「美術鑑賞目線」の両方から、作品を観られるところ。作品それぞれに、市場価格と美術界での評価を対比する解説がつけられ、参加したいと思えば、50億という「仮想通貨」をもらって、自分好みのコレクションを作ることもできる。
例えば、教科書にも載っている日本人にとってはビックネームの藤田嗣治より、2011年に亡くなってから人気がうなぎ登りのサイ・トゥオンブリーの方が、はるかに市場価格が高いなど、絵画市場での評価は、目まぐるしく移り変わっている。
それにしても、これらの作品を普通に家に飾っているとはすごい。家にどう飾ってあるかといいう模型も、同時に展示されていた。風呂に入りながら絵を観るために、湿気から守って絵を飾れるシステムにはちょっと感激。
などと脳天気に観ている私とは対照的に、浅田彰氏のこの展覧会への視線は厳しい。展示の仕方やタイトルの付け方、アートマーケットでの評価をキューレーター側での咀嚼なしにそのまま使うことへの危機感、他作品に比べて代表作品とは言えないマーク・クインの「ミニチュアのヴィーナス」を展示の目玉としてポスターに載せる感性についてなど、罵倒のごとく苦言を呈している。
興味のある方は、こちらからどうぞ。
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