荒木経惟 - センチメンタルな写真、人生。
1999年04月17日(土)〜07月04日(日)
東京都現代美術館にて
本当に、センチメンタルだった…。
同じ女性だから、気になるのかもしれない。女性の肉体的な欠陥を、アラーキーの写真は、不思議と強調してしまう。それにもかかわらず、写真のなかの女性は、怪しくて魅力的。
奥さんの遺影に用いられたポートレートは、アラーキーの心に、ぽっかり開いた穴を見るような、最高傑作だと思う。
その後に続く他の女性の写真には、むしろむなしさばかりが残る。
また、戦後の東京の町のいびつで醜い部分も、ファインダーにおさめられている。やはりこちらも、きれいなばかりではないが、やはり魅力に満ちている。
歴史の教科書とは違うもうひとつの東京が、ずらりと展示されていて、少し怖さすら感じた。