田舎でも都会でもない中途半端な場所に、わたしたちは住んでいた。
わたしたちは、いぬとさるときじで、だからそれ以外のもうひとりが、桃太郎ということになる。
桃太郎は、きびだんごをひとつずつわたしたちに渡すと、カァカァと啼きながら、真っ赤に燃えあがる翼を広げ、漆黒の太陽に向かって飛んでいった。
それからもう、百年は経つのに、いっこうに戻ってこない。
この町では、だれもひとりではない。それぞれ少しだけ重なりあって生きている。だから、誰の目のなかにもかなしみが宿り、犬は静まりかえった青くまん丸な目で、まっすぐ私を見上げた。
そうなるとわたしは、さるかきじか。
いつの間にか、丘の上に夕焼けがひろがり、山並みや木々は切り絵の黒い部分になって、きじが大きく羽根をひろげると、その模様のあいまから、オレンジ色の光が透けて見える。
そんなきじの羽ばたきを、ずっと眺めていたかったので、わたしは残りのさるでよかったのに、どうやら蝉の幼虫にすぎないらしい。地上に出るチャンスを待って、土くれのなかでじっとしているうちに、発酵がはじまってしまった。
もうすぐ藍色の夜がくる。いきものがみんないっせいに目覚め、かしましく騒ぎ立てるほのかに明るい夜が。
